296話 2019年のイトウ釣り 

 

 ホームリバーも大河も結氷してしまい、いくら釣り好きでも竿の振りようがない厳冬となった。もうジタバタしても仕方がないので、2019年のイトウ釣りを振り返りながら、そのデータを集計した。

 ことしの釣りを一言でいえば、「不完全燃焼」であった。総数85匹は私の年齢70歳にしては悪くないとおもうが、大物との遭遇は1匹たりともなかった。記憶に長く残るような悔しいバラシもなかった。インパクトのない釣りのシーズンであった。

 宗谷にも地球温暖化の影が忍び寄って、ここ2年ほど冬の積雪量が少ない。街の人びとは「しのぎやすい冬」と喜んだが、釣り人としては喜べなかった。4月のイトウ産卵観察は未体験のシーンに遭遇するなどなかなか良かったが、5月の釣りシーズンの当初から、中小河川の減水が気になった。宗谷の牧草地にあふれ出るような雪解け増水がまったくないままあっという間に平水位となった。

月別の釣果では「稼ぎどき」の釣果が59匹、615匹と信じられないほどの貧果で、この調子では年間50匹くらいしか釣れないと覚悟を決めた。しかし、7月ころから例年並みの釣りができ、711匹、821匹、914匹、1011匹、114匹となった。晩秋から初冬にかけて何度か季節の揺り戻しがあったが、ほとんど川には行けなかった。

 イトウの体長は、80㎝級6匹、70㎝級13匹、60㎝級13匹、50㎝級13匹、40㎝級13匹と不吉な数字13が並び、30㎝級15匹、20㎝級5匹、10㎝級7匹であった。平均は50.7㎝と平年値であった。

 水温とイトウの釣果では、ことしも水温15℃が13匹と最大値で、この水温がイトウの活性化のピークであることが証明された。水温15℃前後の絶好の季節にどれほど釣れるかで、年間の釣果が決まる。

 天気とイトウの釣果では、曇が44匹で圧倒的に釣れ、ついで快晴が27匹となった。

イトウの川では、A川が52匹と断トツで、この傾向はことしも続いた。ついでC川が15匹で、これは晩秋から初冬にほとんどここで釣った影響である。N13匹、B4匹、D1匹はいずれも想定外の不振であった。

使用したルアーは、Range Vib69 匹、MM1311匹である。この2種のルアーでほとんど釣ったことになる。その他では、DDPanish2匹、Slide Vib2匹、Rattun RAPARA1匹であった。

さらにHookの位置では、腹フックが49匹、尾フックが22匹であり、腹尾フック2匹、スレヒットは12匹であった。私はスレヒットがわりに多いが、その原因は主としてトレブルフックやダブルフックを使用しているからであろう。

 1994年から2019年の通算釣果は2297匹という途方もない数になった。中には私になんどか釣られたイトウもいることだろう。キャッチ&リリースが必要なことは、道北のイトウのうち私が2297匹をキープしていたら、生態系にかなりのダメージを与えたに違いないことからも分かる。