271話 2016年の総括  


 2016年は510日に1匹目53㎝を釣って始まり、115日に80㎝を釣って終わった。総計85匹で、目標としていた年間百匹は達成できなかった。その要因は、夏場の渇水による貧果と冬の早い到来による釣期の短縮であった。どちらも自然現象によるもので如何ともし難いものだった。

 517匹、617匹、714匹と前半の釣果はいつもの年よりやや不調であった。8月は9匹と落ち込み、いちじはイトウの行方を見失った。水温はさほど高くはなかったが、渇水のため私の釣り場からイトウは姿をくらました。9月には宗谷に記録的な大雨が降ったが、それを機にイトウが戻ってきた。「イトウ2000匹」を追ったビデオジャーナリスト阿部幹雄と撮影釣行をした1週間は、想定外によく釣れた。9月の16匹は納得がいった。しかし10月は9匹と例年どおりとなり、11月には3匹と早い冬将軍の到来に降参するしかなかった。

 イトウ85匹の体長は平均57.9㎝と過去最高となった。それは、100㎝級1匹、90㎝級2匹、80㎝級8匹と大型に傾いたからだ。一方30㎝級6匹、20㎝級5匹と小型が極端に少なかった。じつはこれは少し心配だ。世代交代がうまくいっていない可能性もあるからだ。しかしことしは立ち込み釣りあがりの釣行が若干すくなかったこと、小魚を釣っても取り逃がす機会が多かったことにも依る。来季の課題としよう。

 イトウが釣れた時間は、5時台12匹、13時台13匹と分析不明の結果となった。おそらく早朝と午後の出発の影響だろう。入釣直後はいちばん集中力が高いのだろう。

 水温とイトウの釣果は、ことしも15℃が12匹と首位を譲らなかった。15℃はイトウの食欲をもっとも刺激する快適水温であることは疑う余地がない。15℃を中心に13℃から17℃がイトウ釣り黄金の水温帯なのだ。

 天気とイトウの釣果は、快晴39匹で曇34匹を上回った。釣りは曇が最高という常識がくつがえった。

 イトウの川は、A47匹、B11匹、D11匹、N16匹となり、この4河川だけで85匹となった。歳をとって新たな川の開拓がおっくうになっている。

 使用したルアーは、RANGE VIB41匹、DDPanish30匹、MM137匹と例年通りのトップスリーとなった。中流でRV、立ち込みでDDP、下流でMM13と使い分けた。

最近一部のイトウ釣り師の間から、イトウの減少の声が聴こえるが、私はそうは思っていない。釣り師の立場で、長年にわたってイトウの増減に注目してきた。それはいつもの場所で釣れないとか、ライズが少ないといったあいまいな根拠ではなく、自分が釣ったイトウの実数でだけで論証してきた。この23年間で釣り場も釣り日数もさほど変わりがないから、釣果はイトウの生息状況を反映すると考えている。私の釣り場は主に中流であり、他の釣り師と競合することはない。他の釣り師がどんな釣り方をしているかも興味をもたない。自分の釣法と異なる釣り方をする釣り師を誹謗中傷する向きもあるが、違法でないかぎり私はそれを容認する。他人にかまっている暇はない