第235話 2013年のイトウ釣り |
2014年が明けた。例年通りの厳しい冬が到来して、いま釣りはオフシーズンの真っ只中である。暇にまかせて2013年の私のイトウ釣りデータをとりまとめ振りかえってみた。 毎年100匹と100pの釣果(100・100と称している)を目標にしている。2013年の釣りでは数はでたが大物が釣れずに、ことしもまた課題を残した。数とサイズで納得のゆく釣果をそろえるのは本当に難しい。プロ野球の3割・30本塁打・30盗塁の難しさとおなじであろうか。 年間の総数は117匹で、前年の120匹にはわずかに及ばなかったが、自身2番目の悪くない数であった。月別の成績では、6月(41匹)と9月(27匹)が突出した。この2ヶ月だけで、年間釣果の半数を突破した。 とくに6月は、従来の記録32匹を大幅に更新した。私は2本のドル箱リバーを交互にトレースし、着実にそこに居つくイトウをキャッチしていった。1日2匹以上のマルチヒットがほとんどで、1日1匹の釣果はだいたい平日朝に記録したものだ。なぜ数釣りができたかというと、さまざまな気象条件でイトウがどこにいるかをほぼ把握したことがあげられる。またライバルとなる釣り師が少なかったこともある。 イトウの体長では、最大魚が90pで、80p級も4匹と寂しい結果だった。一方で、40p級、30p級、20p級の合計が70匹にもなり、若魚が増えていることは分かったが、おかげで平均体長は44.5pと下がった。 イトウ釣りをやる釣り人は、メーター級など大物を狙う人びとがほとんどだろうが、釣行ごとにメーター級を釣ることは、不可能に近いことで、私の知る限りそれができるのは現在のチライさんひとりである。 大物を釣りたいのであれば、川の下流部にへばりついてボウズ覚悟で竿をふるしかないだろう。私のように、釣行ごとにかならずイトウの顔を見たい人は、大物一点張りはやめたほうがいい。 イトウを釣った川はわずかに4河川であった。私の第一ホームリバーでは72匹をキャッチした。上流から下流まで知り抜いているので、春から冬までどんな条件でも対応できるありがたい川である。とくに9月以降は、ほとんどこの川で釣果を得た。第二の川では38匹を釣った。この川では立ちこみをしないと釣りにならないが、雨後のササ濁りなど一発当たれば魚影は濃く、つぎつぎとヒットする。その他の2河川では4匹と3匹を得たがスポット的な釣りであった。 水温では14℃から16℃が格段にヒットするが、20℃を超える生ヌル湯状態でもけっこう釣れた。最高温は23℃でこれが食餌活性の限界であろうか。24℃以上でイトウが釣れた経験はない。 天気は曇がベストであるが、快晴もかなりよかった。いっぽう霧や雪のもとでのヒットはなかった。 ヒットルアーは、Sumari MD90F 39匹、RANGE VIB 80EP 36匹、DDPanish 23匹がベスト3であった。立ちこみ釣りには、ほとんどSumariとDDPを使用し、陸釣りではRANGE VIBを頻用した。 イトウ釣りの名手たちは、ほぼ固有のシステムを作りあげていて、市販のルアーで釣っている人は少ない。私は市販のルアーのフックを換えるくらいで、ほぼオリジナルを使っている。私は細かな手作業が苦手で、改造は面倒くさいからだ。それにルアーだか、フライだが、生えさだか分からないような疑似餌は使いたくない。 1994年から2014年まで丸20年間、イトウを釣り、そのデータを蓄積した。ひとりの釣り師の記録ではあるが、単一魚種をおなじ釣り場で、おなじやり方で釣っては、詳細に計測しつづけた。こういう記録は前例がないだろう。イトウの釣りと保護には有用と思う。 私はこれからも上記のポリシーでやりたい。最後に、私がイトウ釣りでやらないことは、@生えさ釣り、A夜釣り、B海釣りの3点である。これが私のルールだ。 |