テシオコザクラ |
2010.3月1日 |
雄大な天塩川を生む天塩山系の麓にテシオコザクラ≠ニいう可憐な花がごく僅かな期間に咲くという噂を聞いていたので気になっていた。 麓までの道のりは車が1台やっと通れる程度で川を何本か渡らなければならなかった。 川には橋が架かっておらず、流れを車ごと横切ることになる。 雨で増水すれば帰還は許されるものではなさそうなので、トレッキングを含めた時間内に雨をもたらす低気圧が通過しないか天候を 確認する。 この日は夕方まで高気圧の圏内にありピーカンであったので、ヒグマの心配だけでいい。 そこは文庫本にまでなったヒグマの聖地でもある。 なんとか川渡りをクリアし、林道の終点までたどり着いた。 そこからトレックを開始。 ケモノ道ほどの道程にはエゾシカの頭骨、なにやらわからない獣の毛が散乱しており、ヒグマを想像することばかり。 谷間の澄みきった渓流と並行して歩くため気分がとても良い。 小一時間ほどで今度は自分が川を横切ることになる。 細いアシストロープが辛うじて対岸まで引いてあり、ちょうどその線下の岩をたどって川を渡ることになる。 流れに見え隠れする岩の上を歩くも、転べば機材諸共流れに放り込まれる。 慎重に渡りきり、今度は切り立った小高 い山肌をトラバースするように進む。 僅花に会えるのか、時期はまだ早いか、もう遅いか、、、そんなことを脳裏にひたすら歩く。 眼前が開けたそこにテシオコザクラ群生地≠フ木標が目に入る。 岩が砕けた山肌に似合わず、岩の隙間にその花が凜と上品に咲いていました。 その光景に、一瞬疲れとヒグマを忘れ、シャッターを切りました。 それは一年にわずか10日間程度の光景だそうです。 |
K-Kawamura |